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スカラジャニッキ 『風のかたち』トークショーレポート!
みなさまお待たせしました!
1/23(土)に行われた、『風のかたち』伊勢監督と聖路加国際病院副院長、細谷医師によるトークショーのレポートをお届けします!

今回のレポートも、司会を務めてくれたボランティアスタッフのOさんにお願いしました。
写真はすべてボランティアスタッフHさん撮影です。




小児がんをかかえた子どもたちの10年間にわたるサマーキャンプの記録映画「風のかたち」。

伊勢真一監督と細谷亮太先生のトークショーは、予想をはるかに超えるたくさんの
方がご来場下さいました。

通常の124席はすべて満席。
予備の椅子やクッションをならべても間に合わず、通路には立ち見の方があふれました。



なかには入場をあきらめた方もいたとのこと。
とても申し訳なく思いましたが、これも映画が多くの人の心を揺さぶった証なのでしょう。

伊勢監督と細谷先生のトークは、時にユーモアを交えながら、穏やかに、深く心に沁みるような内容で、長年ともに仕事をしてきたという信頼関係を感じさせるものでした。
そのお話のなかから、心に残ったことをいくつか書き記します。

   *   *   *



伊勢監督は、取材の際によく「映画にこめたメッセージは何ですか?」と聞かれるそうです。
そのときは「監督がメッセージをこめるのではなく、映画のなかで子どもたちが語る思いを伝えたい」と答えるそうです。
「風のかたち」には、「先生になって命の大切さを教えたい」と将来の夢を語りながら、
間もなく亡くなってしまう女の子が登場します。

「彼女の思いは、もちろん彼女個人のものではあるけれども、彼女のまわりには友だちや
家族、看護婦などたくさんの人がいます。
そのまわりの人たちの彼女への思いが凝縮されて、その言葉になって出てくるのではないか」
と伊勢監督。

そして、「彼女は亡くなってしまったけど、言葉は映画のなかでずっと伝えていくことが
できる。上映され続ければ、子どもたちはずっと映画のなかで思いを語り続けることが
できる」というのです。

記録映画の持つ意味を、あらためて考えさせられる言葉でした。


   *   *   *


細谷先生の言葉で印象に残ったのは、「自然に流れる涙は人類の宝」というものです。

映画の中盤で、キャンプの夜のお話会の場面が流れます。このキャンプの目的は、同じ
病気を体験した仲間たちが語り合い、心のつながる場を作ることです。

そのお話会で、病気を理由にいじめられて家に引きこもっていたことを告白する女の子が
いました。そのとき隣で聞いていた女性の目から涙がこぼれ落ちます。

カメラは、少し離れたところからじっとその様子を眺める細谷先生の姿も捉えていました。


細谷先生はその場面に触れ、「隣の子が涙を流す、この涙は自然に出てくる涙だから、
どんな名優と言われる俳優の演技でも表現できない。人類の宝だと思うんです」
と語りました。


痛みを知るからこそ、他人の痛みに共感して涙を流すことができる。
たぶんそれは、人間にとってもっとも大切なことのひとつだと思います。

細谷先生は、その涙を記録したことに、映画の大きな意味がある、と考えているようでした。


   *   *   *


トークの最後に、会場から発言して下さった小学校の先生がいました。
地元の川越の小学校の先生だそうです。

「自分が受け持っている元気な子たちと、映画に出てくる病気の子たちは、どこも
変わらないと思って観ていました。けれども、そのうちに、ひとつだけ違いがあることに
気がつきました。学校の子たちは、将来の夢を聞かれると、『お金持ちになりたい』
『人に羨ましがられる仕事につきたい』と言います。けれども、映画に出てくるほとんどの
子は『人の役に立ちたい』と答える。そのことに、とても感動しました」

たしかに映画では、「小学校の先生になって命の大切さを伝えたい」「医者になって
病気の子を助けてあげたい」「看護婦になりたい」と答える子どもたちの姿が
映されていました。

細谷先生は、「病気の子どもたちは、まわりで自分を支えてくれている人たちを見て、
自分もそうなりたいと憧れるのでしょう。それはとても自然なことだと思います」
と答えていました。

   *   *   * 

今回の司会を務めるために、年末から細谷先生の著作を数冊読んでいました。
そのなかに、次のようなことが書かれたエッセイがありました。

白血病は年間に子どもたち2万5,000人に1人の割合で発症する。
誰かがその辛いクジを引き受けているということを健康な人は忘れてはいけない。
病気の子とその家族を社会全体で手助けしようと思うのは自然の成り行きではないか。

医療の進歩によって、現在は小児がんの子どものうち、約8割の子が回復するそうです。
それでも、残りの2割の子は、やはり長く生きることができません。

この日のトークにも、ちょうど去年の今頃に、細谷先生に診て頂きながらお子さんと「さようなら」をしなければならなかった、川越在住のご両親がいらっしゃっていました。

どんなに短い命でも、生きるということはただごとではない。
そのただごとではない生を精一杯生きた小さな仲間たちのことを、忘れずに
いたい。
そして、彼らの姿に勇気をもらいながら、私たちもそれぞれの生を大切にしていきたい。

自然にそのような気持ちが湧きあがってくる、とても実りの深いトークショーでした。

伊勢監督、細谷先生、どうもありがとうございました。


色紙にサインしてくださっている細谷先生。
お二人のサインは受付に飾ってありますのでぜひご覧ください。

ちなみに、映画の題字も細谷先生によるものだそうです。
| - | 16:49 | comments(4) | trackbacks(0) |
コメント
トークショーに参加できなかったので、このレポートを大変嬉しく拝見しました。
細谷医師の「自然に流れる涙は人類の宝」の言葉」に感銘をうけます。その時の心の揺さぶりの大きさは、たとえようもなく大きいものだと思うのです。
改めて、命の価値に大小も高低もない事を思わされます。
素敵な企画、ありがとうございました。
| 板 香澄 | 2010/01/27 11:09 AM |
>板 香澄さま

コメントありがとうございます!

私が細谷先生の著書で印象に残ったのは、先生のお父様の患者さんが90歳で亡くなったというのを聞いて、先生が「それは仕方がないね」と言ったら、お父様に「お前はどうも少し冷たいようだ」と言われた、というエピソードです。

普通、90代で亡くなったら大往生で、悲しいけれど仕方ないと思うのは当たり前のように思っていましたが、生きた年齢は悲しさの度合いとは関係ないんだということに気づかされました。

今回は残念でしたが、これからも色々なイベントを企画していきますので、機会がありましたらぜひご参加ください。
お待ちしております。
| chi | 2010/01/28 9:38 AM |
伊勢監督と一緒に、大阪の「ヒューマンドキュメンタリー映画祭≪阿倍野≫」の運営をさせて頂いている者です。
素晴らしい文章から、当日が実り多きイベントであったことが伝わってきました。私もドキュメンタリー映画制作者として人々の“いのち”を伝え、感じて頂く上映活動を続けていますが、リポートに出てくる細谷医師や川越の小学校の先生の言葉、更には、エッセイから引用された、「子どもたち2万5,000人に1人の割合で発症する辛いクジ(白血病)を誰かが引き受けていることを健康な人は忘れてはいけない」の言葉、どれも現場の経験に裏打ちされた、深い意味を感じます。
ボランティアの方々が、この上映会を作り上げておられるんですね。満場の方々に貴重な場を届けられたことに、深い敬意を表します。有難うございました。小生や、映画祭のfacebookでもシェアさせて頂きますね。
| 榛葉 健 | 2012/01/21 4:16 PM |
>榛葉 健さま

コメントありがとうございます。
返事が遅くなってしまってすみません。

当館はNPO団体で運営しておりまして、日々の上映は専属スタッフ2名とアルバイトで、こういったイベントの際にはボランティアスタッフにも手伝ってもらってやっております。

映画館の運営はなかなか大変ですが、細谷先生のような、本当に素晴らしい尊敬できる方にお会いできたのもこの活動をしているからこそで、頑張って続けていてよかったと思います。

facebook等でのご紹介ありがとうございます。
今後も良いイベントをたくさんやっていきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
| chi | 2012/02/16 1:12 PM |
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